日わが国について効力を生じた。
(2)国連海洋法条約の内容
@領海
*領海の幅は領海基線から十二海里を超えない範囲内で設定可能
*直線基線の採用
*領海に関する線等を表示した海図等の公表および国連事務総長への寄託
*無害通航権およびその要件
A接続水域
*領海基線から二十四海里の範囲内で接続水域を設定可能
*沿岸国は、接続水域において通関上、財政上、出入国管理上の法令の違反防止のための規制が可能

*沿岸国は、接続水域において領土及び領海内で行われた前記法令違反を処罰するための規制が可能
B排他的経済水域
*着領海基線から二〇〇海里の範囲内で排他的経済水域を設定可能*同水域内では、天然資源の探査、開発等の主権的権利、人工島等の設置および利用に関する管轄権、海洋の科学的調査に関する管轄権、海洋環境の保護および保全に関する管轄権等を有する。
C大陸棚
参大陸棚は領海基線から二〇〇海里までの海面下の区域等の範囲
*国連海洋法条約の規定に従って二〇〇海里を超えて設定する場合には、その科学的データ等を添えて、十年以内に大陸棚の限界に関する委員会に資料を提出
*沿岸国は、大陸棚の探査、天然資源開発のための主権的権利を行使可能
D海洋環境の保護および保全
*国は、船舶からの汚染等あらゆる発生源からの海洋環境の汚染を防止する等の義務を有する。
*沿岸国は、排他的経済水域においても一定の条件の下に汚染防除措置が可能
*違反が明らかとなった外国船舶に対しては、保証金等の合理的な手続に従うことを条件に速やかに釈放しなければならない。
E海洋の科学的調査
*沿岸国は、領海、排他的経済水域、大陸棚における海洋の科学的調査を規制する等の排他的権利を有する。
2 国連海洋法条約締結に伴う国内法制の整備

(1)海洋法制整備に至る経緯
*海洋に係わる諸問題一般を包括的に規律している国連海洋法条約を締結することは、海洋国家であるわが国として、長期的かつ総合的な国益に沿うものである。
*わが国として主張すべき権利を確保し、国益を守るため、海洋における秩序を図るとともに、環境の保護・保全等の締約国としての国際的責務を果たすため、海洋法制整備が行われた。
(2)領海等に関する基本的法制整備
*基本的法制整備として、領海基線として直線基線を加えること、接続水域を設けること等を内容とする「領海法の一部を改正する法律」および排他的経済水域を設けること等を内容とする「排他的経済水域および大陸棚に関する法律」が成立
*これにより、接続水域および排他的経済水域をふくめた面積は、従前の二〇〇海里漁業水域に比べ約一・一五倍に拡大するとともに、質的にも接続水域の設定により密輸等の効果的取締りが可能になること、排他的経済水域の設定によ
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